ウィニー
最近は私用パソコンでのウィニーなどのフィル共有ソフト利用での情報漏洩が問題になっているが、ウィンMXやウィニーによって他人のパソコンのデータが読めるということは自分自身のパソコンデータの一部もネットにさらけ出していることであり、その危険性は以前より分かっていたことである。しかし問題の本質は情報漏洩でも私用パソコンの利用でもない。そもそもウィニーの利用目的のほとんどは音楽や映像の違法ダウンロードである。社員、教員、そして警察官までもがウィニーを使って違法行為をしている。その結果情報漏洩をもたらし多くの市民に迷惑をかけた彼らに対して単なる注意でいいはずはない。企業でも官庁でも懲戒免職などを含む厳罰があっても当然である。企業や官庁などでの厳罰主義を徹底し、ウィルス未対策によるウィルス感染とばら撒き、音楽や映画など著作権に違反したウィニーの利用、怠慢による情報漏洩などに対しても、多額の罰金を科すなどの法改正が必要である。
通常のウィルス対策ソフトも入れていない人も多いが、理由はお金である。お金の使い方の優先順位の感覚がイカレているのだ。ウィルス未対策はまだ違法でないから、お金がもったいないから対策しない。その結果ウィルスをばら撒いて人に迷惑をかけても別に平気。お金の節約のためなら違法ファイル交換でミュージシャンの利益を損ねても平気。本当に彼らの多くが年間数千円のウィルス対策や好きなミュージシャンのCDを買うことができないほど経済的に苦しいのかというとそんなことはない。多くは一方で携帯電話には多額の通話料を払っている。音楽をタダで集めたいという欲望に理性が負け、人間性が壊れているのだ。世の中には少しは悪い人がいるのはしかたない面でもあるが、今のようにあまりにも多くの子供たちと大人たちがウィニーをコンピュータにインストールし、平気で違法に音楽や映像をダウンロードしている日本の状況はまるでモラルの崩壊であり、さらには人格崩壊とも言っても過言ではない。
たしかに背景としてメディアリテラシー、情報倫理、法整備があまりにも遅れている現状があり、日本の金銭教育の欠落と拝金主義がそれを加速している。「インターネットで楽に儲けたい。無料で音楽をたくさん集めたい。犯罪だとしてもみんなやってることだし、どうせそんな簡単につかまらないさ。ウィルス対策なんかにお金をかけたくない。人に迷惑かけたっていい、まだ違法じゃなんだから」モラルが金銭欲に負け、まるで欲に魂を売った状態。いつから日本人はこんな風になってしまったのだろうか。楽に金儲けなんて上手い話はないのに詐欺に騙され、懸賞サイトへの不注意な応募によって自分自身の個人情報も垂流している人々。音楽の違法ダウンロードは犯罪行為であり音楽ファンとしての資格もないのは当たり前なのに、気にしない人々。こんな人たちがいくらセキュリティを学んでも技術を知っても無駄である。セキュリティホールは自分自身であり、自業自得のセキュリティホールである。最大の対策は利用者の人間性だ。
2006.3